当時徳川幕府からキリシタン大名の嫌疑をかけられた忠之公が、
西公園の荒津山に徳川家康公を祀る東照宮を立て日々掌を合わせられていました。
同時に疑いを払うため博多の町に次々と寺を建てており、
その時に建てられたお寺の一つが当山妙法寺と言われています。
福岡藩の武士の寺として、忠之公の家臣たちを檀家として抱え、
妙法寺は受け継がれてきました。
お題目の熱心な信者であり、九州のキリシタン大名を徳川幕府の嫌疑から、
お救いした加藤清正公を祀った清正公堂も境内に建立されており、
黒田藩上層部の積極的な願いによって作られたお堂が
当寺院の歴史の深さを物語っています。
寺院には山号と寺号があり、当寺院は山号を啓運山、寺号を妙法寺と言います。
山号である「啓運山」は、運を啓くという意味を持ち、
草創の成り立ちは武家の寺でしたが、その山号にあやかって運を開くというということで、
商売繁盛を願う博多の人々も檀家になられる方が増えてきました。
寺号である「妙法寺」は、仏様の心理、悟りの世界を表した言葉です。
「妙法蓮華経」というお経の「妙法」の二文字を
寺号に持つお寺が、啓運山妙法寺です。
このお寺で兄弟姉妹が集合し宿泊して、妙法寺の本堂で法事を行ったり、災害の時は地域の人々の緊急避難場所だけでなく、遠方の檀家に不慮の災害があり、自宅から離れなければいけない時の疎開場所として(福岡市中央区役所と協力して、防災マップの緊急避難場所に指定)、普段は公民館的な機能を兼ね備え、和装教室やコンサート、詩吟などの場所として。様々なシーンにお使い頂ける施設です。
加藤清正公をお祀りしているお堂。
車両安全等のご祈祷はこのお堂でしています。ペット供養塔の側にあるこのお堂には、
納骨堂があり、愛しい家族であったペットと一緒に過ごすことができます。
お釈迦様の導きによって、法華経守護の神となった鬼子母神様をお祀りしております。
鬼子母神様は、安産・子安の神様です。こちらのお堂では、5名程度の小規模のお葬儀にも対応しています。(宿泊も可能です。)
「何よりもお寺に親しみを持って頂きたい」という願い、春夏秋冬それぞれの自然を
境内に取り入れ、催事を通して四季の移ろいを感じていただける寺院を目指しています。
2001年から境内でゲンジボタルの繁殖に取り組んできました。最初は苦労の連続でしたが、三年目から安定し、ホタル以外にもカワニナ、トンボ、カゲロウ、マシジミなどの生き物を沢山生育させています。テレビ局の取材も受け、毎年3000人以上の方々が都会に住むホタルを気軽に楽しんで頂いています。広大な寺院の中で、井戸水が流れる小川に、毎夏ホタルが飛び舞います。庭に息づく小さな生き物たちに、そっと目や耳を澄ます夏のひと夜を過ごせる空間、それが蜻蛉庭です。現在も現住職(東京大学水圏生命科学科卒業)が、地下室にてホタルの繁殖、並びに生態についても研究中をしております。ホタルの優しい光をご覧になられてください。
総本山身延山への敬慕崇拝の心を表すために、30本のしだれ桜を拝受し植樹しています。年々育つ桜を見ながら、いつか檀家の皆様と花見が出来ることを夢見ています。
2012年に京都のヤマサキ水草園さまとロータス研究所の指導を仰ぎながら生育しています。貴重な古代蓮である大賀蓮をはじめとし、様々な蓮や睡蓮に挑戦しています。
境内の中庭には、ハイゴケ、スギゴケ、ミズゴケを中心に生育をしています。順調に苔が茂り、京都の寺院の様な風情あふれる情緒を楽しめます。